新年ストーリー③
先輩達は、とても真面目な方達で私達が入部した時、3年生の1部の冷やかし部員みたいな人達に無茶苦茶な嫌がらせをされながらもみんなで辞めずに続けようとしてました。私なんて目立つせいか3年生に呼び出されて今ではあり得ないリンチみたいな事もされましたよ。結構進学校だったんですけどね。まぁ不良とヤンキーの時代でしたから笑
また話は逸れましたが、その時の先輩達は辞めずに続けていた人間として素晴らしい方々だったし、「菱田に(3年の)先輩が色々してるのに比べればマシだったし、助けれずにごめん」と気遣ってくれる優しい人達でした。
ニシが入部するまではその先輩達と勝ち上がろうと思ってましたが、自分と同等、もしくはそれ以上かもしれない1年生がいるのに出さないのはどうなのか…みんなもニシの前衛としての上手さも強さも知ってる。ちょっと強いだけなら反対したと思いますが、「先輩に追いつきたい」ではなく「菱田先輩に勝ちたい」っていつも試合をしてくるニシが県大会でどうなるか見てみたいって思ったんですよ。
話は先輩達に言い出した時に戻りますが、先輩方から言われたのは、
「俺達もアイツが出れば参加するだけじゃなくてリーグ勝てるかもって思うよ」でした。その後に「菱田は良いのか?自分でライバル育ててるだけだぞ。菱田が言うなら俺達もメンバー考え直すよ。だから、お前の本心を聞かせてくれ」
「自分は先輩達を1分でも長く引退させたくないです」
「そうじゃない。お前の本心を聞かせてくれ」
「…」
「……」
「…将来の、来年のエースを育てたいです。俺自身が見てみたいです。どこまでニシがやれるのか。そして…来年みんなでインターハイ出たいんです!その時に絶対的エースを、相手の1番手にわざとぶつけれるエースを出したいんです」
「お前じゃダメなの?菱田だって1年で東海大会出てるじゃん」
「自分は団体は1番手で出たいんです。みんなに俺達もやれるんだ、勝てるんだって思わせたい。弱いチームは自分を避けるかもしれないけど次のペアがエースなら…相手は1番か2番でどうするか悩む。僕らには指導してくれる先生は居ないから、常に順番を変更せずに、その悩む時間も集中したいんです」
「来年のためか」
「違います!先輩達と勝利を目指したいんです」
「…お前や後輩達の気持ちは分かったよ」
「先輩達が決めた事には文句は言いませんし、言わせません」
「分かった。来週大会だから今週の金曜にメンバー発表する」
そして金曜日
メンバーが発表されたのですが…メンバーにニシが含まれて3年生の先輩が一人外れる発表でした。
外れた先輩に謝りに行こうとすると、他の先輩に止められて
「アイツが『自分は(ニシを含めれば)5番手だから。元々応援要員ってのもあるけど、みんなで最後の大会1つでも勝って後悔したくないから。もしも、もしも東海大会行けるとかになったら…レギュラー目指すよ』って言ってた。結果で応えよう」
「俺達もこれがベストだって思ってる」
こうして、県大会のモブチームが本気で勝ちにいこうとしました。
つづく(どこまでつづくんだ…自分でも分からない笑)
0コメント