新年ストーリー②

突然ですが、「天才」ってどんな人の事を言うかちゃんと考えたことが皆さんはありますか?

私は身近にニシが居たので「才能の塊」とか簡単な言葉ではなく、高校時代ずっと考えて居ました。言い訳にしてソコからにげだしたく無かったので。

私の考える「天才」とは、正しい努力の仕方や身体の動かし方、正しい答えの見つけ方を最短で出来る人だと思います。

真実への近道を知っている人を「才能」とか「天才」と言うのではないかと私は考えています。

私が、過去のブログでも身体と思考の歯車が噛み合うと書いてるのも「才能の開花」もですし、指導する「コーチング」で一番大切なのは実体験を押しつけない事だと思います。指導者自身と同じ程度才能のある子と無い子に実体験に基づいた指導をしても同じ様に上手くはならないですし、名プレーヤーが名指導者になるとは限らないです。

ちなみにこの理論だと、練習量を増やせば誰の指導を受けなくても上手くなる事を肯定することになります。練習量は勝利確率に比例するのは事実ですし、強豪校が強豪校足りうるのは練習環境が整備されているからです。

話が逸れそうなので戻しますが、そのニシが体験練習にやって来ました。

その頃は私は彼の存在はまったく知りませんでしたが、ニシは私の事を知っていて、

「(自分で言うのは恥ずかしいですが)憧れの菱田先輩に会えて、こうして話せて嬉しいです!」

「ああ…そう…オレってなんか憧れることした?」

「はいっ中学の西尾張でも県大会でも試合見てました。努力と根性と気合がスゴくてかっこよかったです!」

「ああ…そう…努力と根性…言われすぎて逆に凹むよ…笑」

「そんなこと無いです!試合の『空気』を読んで、流れが悪いと相手がイラつく位大声出したり、届かないって分かってるのに横っ飛びして傷だらけになったり、後衛が欲しい時に必ずポイントを取って後衛にナイスボールって乗せるのとか鳥肌たって見てました!」

「バカにされてる気がするけど」

「負けたチームの近くに居ても先輩の事をバカにするどころかアイツのせいで負けたって言ってました!中学の村上先生も菱田みたいなプレーが出来るようになれって何度も言われてました!」

「本当かよ…」

これがニシとの出会いです。

この後にニシが入部し、一緒に練習するようになったのですが、ソコで中学の時のライバル、善ちゃんと同等の才能を感じる事になりました。

技術の吸収がスポンジなんです。中学の時に基礎がしっかり出来ていたのが拍車をかけた様で、例えば私が高校に入ってから得意としていたストップボレーを私の動きを見て簡単に真似る…ここまでなら驚かないですが、

「菱田先輩の踏み込みの1歩目が出来ないっす。ノーリアクションでトップスピードになるのはやっぱり足腰の鍛え方の違いですね…菱田先輩スゴいっす」

「お前の分析がスゴいよ。お前が怖いよ」もう大迫半端ないってって感じで言いたかったです。

私も高校一年の県新人戦でベスト8に入って愛知県体育館の東海インドア大会や強化選手にも一年で唯一選ばれたり、自信は持ってましたし、この頃は私の方がまだ上手かったので素直にニシの加入を喜んでました。

そして4月にあるインターハイ尾張予選の団体で私立の高校と他の県立強豪校に負けて3位で県大会に出るのですが、県大会メンバーを決める時に先輩に頭を下げに行きました。

「ニシを使ってください」

パート③に続く

SkyHigh

愛知県稲沢市の ソフトテニスクラブです。 クラブ名であるSkyHigh(スカイハイ) という名前の由来は、 目標や気持ちに 上限を決めないように、 空高く、心豊かになってほしい という意味です。