立ち向かわなくちゃいけないんだ!

(昨日の話の続き)それでは彼の話ですね。彼って言うのも変なんであだ名のイクちゃんにします。名前のどこにもイクちゃんのイの字も無いですがそう呼ばれていたので。本人にこの事を言うと「正ちゃんが言い出したんだろ!」と言われますが笑

イクちゃんは本当に下手でした。才能?無いですね。運動神経?普通ですね。じゃあどうやってインターハイに出たんだよってなります。

イクちゃんを知ってる人はみんな同意します。

「あきらめないヤツ」だと。

エピソードはいくつもあります。

新人戦でレギュラーになれず、教えに来てくれた何年か前の先輩から「菱田、アイツはやめとけ。期待しても無駄だ。1年の~の方が上手くなる」そう言われた時は「期待されてないって分かってる…勝てないのだって俺が1番分かってる!自分が弱いって事は俺自身が1番分かってる…それでもやるしかないんだ…勝てる勝てないじゃなくてここで俺はレギュラーのみんなに立ち向かわなくちゃいけないんだ!」そう言ってラケットを振り続け、2年生のインターハイ地区予選で県大会に出れなかった時も、私が「イクちゃん、もうペアの前衛は怒ってないよ。イクちゃんと次の国体予選組むってさ。挫折したヤツほど強くなる。だからまた練習だな」「ありがと、正ちゃん。来年のインハイ地区大会まで今年は始まったばかりだもんな。俺の事相手チームとか先輩達は下手だって笑うけど、挑戦するヤツの事を挑戦しない人達は笑えばいいさ。笑えばいい…」国体予選も県に出れずペアの前衛がミスの多さに怒った時も、自分のせいで負けた事を自覚していて悔し泣きしてる時も「中学でも県に行けずに、高校でも他校にも笑われて…才能ないって俺が誰よりも知ってるよ。中学から向いてないって言い訳にして何もしてこなかった。何もしなかったから何も出来なかった。でも今年だけはそんな言い訳したくないんだ。前衛に謝ってくる。次の学年別と市民大会組んでくれって言ってくる。」

新人戦で初めて県大会に出た時は「イクちゃんに負けた他校のヤツ等、まぐれだって言いやがったから、お前らと違って諦めてないんだよ。お前らイクちゃんに二度と勝てないぞって言ってやった」「ラリーを一球長く続けるのに1年かかった。アイツ等が練習サボってる間に1年かけて追い抜いてやった…嬉しいな。長かったけどようやく正ちゃん達と肩を並べれる」

2年生の冬には団体レギュラーになって私立の強い高校と練習試合をした時に後輩や勝てんって弱音を吐く仲間に「勝てる可能性が0%って言われたらお前ら諦めるのかよ。俺はお前らがボールを決めると思ってラリーを繋げる。正ちゃんやニシは諦めてないから決めれるんだ。全国本当にみんなで行こうって思ってるなら、今勝てる可能性を探す方が燃えるだろ。正ちゃんみんなに言ってやれ!」「これ以上何言えって言うんだよ。イクちゃんが言うと説得力ありすぎだろ。ハードル上げるな」みんな「笑」

直ぐに出てくる思い出だけでもすらすら書けますね。前回のブログの私を足に使ってたヤツと同一人物なのかって感じですよね。

私とイクちゃんは最後のインハイ地区予選も県大会も団体戦は組んで1番手でしたが全ての試合で1度も負けませんでした。

県大会の前日だったかな。その日はみんなでイクちゃんを駅まで送ってく時に、イクちゃんが「俺は遅すぎたかな…本気になるのが遅すぎたかな」ここで登場ブーちゃん「遅いかどうかなんて明日にならないと分からないよ」ピグ(仲間)「遅すぎたなんてないよ。誰よりも後衛で上手くなったのは名前(イクちゃんのこと)なんだから」私「イクちゃんが遅すぎたと思ってる後悔は明日のために繋がってたんだよ」「後悔するかしないかは明日次第ってこどだよな。じゃあ後悔しない。1年でもだけど、2年になって途中まで何度もソフトテニス辞めようと思ったけど、今俺は俺に満足してるから。明日は出れなかった昔の自分の為にも繋ぐよ、みんなに」

ちなみに…その時の試合は最初の頃のブログ

2019/11/19「かたくない話」で私と組んでたペアがイクちゃんです。県大会団体戦ベスト4決めでこちらはオーダー不変の1番手から順番で相手の私学も同じく1番手からのがっつり対決で勢いで勝ち続けてきた1番手の俺達が負けたら相手に飲み込まれて負けるヒリヒリした状況での1シーンです。私達はファイナルで勝ち、2番手もファイナル負け、3番手もファイナル負けの死闘でした。3番手なんか2本マッチまでいってたのに…今でも悔しいですね。

ずいぶん長文になりましたが、たまには長編でも良いでしょう。

諦めなければ、夢を現実にした仲間の実話でした。

SkyHigh

愛知県稲沢市の ソフトテニスクラブです。 クラブ名であるSkyHigh(スカイハイ) という名前の由来は、 目標や気持ちに 上限を決めないように、 空高く、心豊かになってほしい という意味です。